海外では毎日お風呂に入らない?国によって違う入浴文化を解説

日本では「毎日湯船に浸かる」ことが当たり前と感じる人も多いかもしれませんが、世界に目を向けると、それは必ずしも多数派ではないようです。

この記事では、海外のユニークなお風呂事情や入浴の頻度などを紹介しながら、日本と海外の入浴スタイルの違いを詳しく見ていきます。

日本とのギャップが大きい、海外の風呂習慣

日本人にとって湯船に浸かるのはごく一般的なことですが、海外では入浴に対する捉え方が大きく異なります。具体的にどのような違いがあるのか見ていきましょう。

日本は「お風呂大国」

日本では一日の終わりに湯船に浸かり、その日の汗や汚れを洗い流すという習慣が広く見られます。2024年の消費者購買行動データサービスによる調査では「湯船に浸かる習慣がある」と回答した人が約84.3%でした。

単に身体を清潔にするだけでなく、心身をリフレッシュする大切な時間と捉えられています。  

日本の家庭用浴室には、浴槽のお湯を温め直せる「追い焚き機能」や、浴槽とは別に体を洗うスペースである「洗い場」が備わっていることが一般的です。そのため、家族が異なる時間に入浴しても温かいお湯を共有しやすくなっています。

追い焚き機能は特に家族世帯で人気の設備ですが 、都市部の単身者向け住宅では必ずしも標準装備とは限りません。洗い場の存在は、浴槽のお湯を清潔に保ちながら共有するという日本特有の入浴文化を支える重要な要素なのです。

さらに、日本には豊かな温泉文化も根付いています。環境省の2022年度の報告によると、宿泊施設などを伴う「温泉地」は約2,900箇所(2,894箇所)あり、温泉の源泉総数は約28,000箇所(27,915箇所)にものぼります。

参照元:入浴に関する消費者購買行動レポート | PRTimes

参照元:令和4年度温泉利用状況【PDF】 | 環境省

海外は「シャワー文化」が主流

欧米を中心に、多くの国では毎日湯船に浸かるという習慣は少数派で、シャワーで手早く身体を洗い流すスタイルが一般的です 。浴室にバスタブがあっても、あまり使われなかったり、シャワーブースのみの住居も珍しくありません。  このようなシャワー文化が定着した背景には、いくつかの要因が考えられます。

例えば、ヨーロッパの水道料金は日本と比較して2倍から4倍と高額な地域があり 、光熱費も考慮すると、短時間で済ませられるシャワーは経済的に合理的です。

また、環境問題への意識の高まりから、節水を心がける人も増えています。さらに、北米で一般的な貯湯タンク式の給湯器は一度に使えるお湯の量に限りがあるなど、給湯設備の制約も影響していると考えられます。  

入浴頻度の国別傾向とは?

国や地域によって気候や文化、水事情などが大きく異なるため、入浴の頻度にも違いが見られます。以下に主要な国や地域の一般的な傾向をまとめましたが、これらはあくまで目安であり、個人差があります。

国/地域主なスタイル入浴頻度の目安主な目的特徴・背景
日本湯船に浸かる/シャワー併用毎日・清潔、
・リラックス
・健康
・洗い場
・追い焚き
・温泉
・銭湯文化
アメリカシャワー主体ほぼ毎日・清潔
・リフレッシュ
・朝シャワー
・効率重視
・浅い浴槽
・貯湯タンク
カナダシャワー主体毎日~週数回
(個人差大)
・清潔・乾燥気候
・硬水地域あり
・節水意識
・香水文化
ヨーロッパ
(フランス、イギリス、ドイツ)
シャワー毎日~週数回
(国や個人により差が大きい)
・清潔・乾燥気候
・硬水地域あり
・水道光熱費が高い
・節水意識
南米
(ブラジル、コロンビア)
シャワー1日に複数回・清潔
・清涼感
・高温多湿
東南アジア
(タイなど)
シャワー1日に複数回・清潔
・清涼感
・高温多湿
・水シャワーも一般的

欧米やヨーロッパはシャワー主体ながらも多様なスタイル

欧米やヨーロッパの入浴スタイルはシャワー中心でありながら、頻度にはバラつがあります。シャワーの頻度を抑える人がいる背景には、乾燥した気候で汗をかきにくいこと、水道・光熱費の高さ、そして硬水地域が多いことが挙げられます。

硬水は石鹸が泡立ちにくく、肌や髪に影響を与える可能性があるため、入浴回数を調整する人もいると考えられます。

南米や東南アジアでは1日に何度もシャワーを浴びる文化も

ブラジルやコロンビア、タイといった高温多湿な気候の地域では、汗を流してさっぱりするために、1日に2〜3回、あるいはそれ以上シャワーを浴びることがごく普通です 。タイでは、暑さ対策として常温の水シャワーを浴びることも一般的です。

欧米の入浴スタイルは「効率重視」

欧米の浴室には、日本のような洗い場が設けられていないことがほとんどです。そのため、バスタブの中で体を洗い、そのままシャワーで泡を流すのが一般的なスタイルです。浴槽のお湯は体を洗うためにも使われるので、日本のように「体を洗ってから湯船に浸かる」という習慣はあまり見られません。  

リラックス目的で泡風呂やバスボムを使うこともありますが、これは日常的な清掃というより、特別な楽しみ方の一つと捉えられているようです。シャワータイムを快適かつ効率的にするための工夫も見られ、節水型シャワーヘッドや、温度と水量を一つのレバーで調節できるシングルレバー混合栓などが普及しています。

「夜派」が少ない?海外は朝シャワー文化

アメリカでは、約6割の人が朝にシャワーを浴びる「朝シャワー派」であるという調査結果があり、夜シャワー派を上回っています。眠気を覚まし、身だしなみを整えるエチケットとして、一日の活動を始める前にシャワーを浴びる習慣が根付いているようです。

一方、ヨーロッパでは国によって傾向が異なります。GROHEの2020年の調査によると、ドイツでは朝シャワー派が約47%、夜シャワー派が約35%と比較的拮抗しています。

このように、夜に入浴して一日の疲れを癒すという日本の習慣とは異なり、海外では朝のシャワーで活動モードに切り替える文化も広く見られるのです。

参照元:GROHE Shower Survey | GROHE

文化の違いを知れば、お風呂の常識も変わって見える

入浴に対する考え方やスタイルは国や地域によって大きく異なります。日本のように湯船で心身を癒す文化もあれば、海外のように短時間のシャワーで合理的に済ませる文化もあります。どちらが良い悪いではなく、それぞれの国の気候や水質、生活習慣といった背景を理解することで、固定観念にとらわれず、より柔軟な視点を持つことができるでしょう。

さらに、そもそも日本のお風呂がどのように進化してきたのか、その歴史をたどってみるのも、新たな発見に繋がるかもしれません。まずは、世界の多様な入浴文化を面白がってみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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